「分かった」を分析してみる
こんにちは
最近,家庭教師を始めました.
個別の塾講師はずっとやってきたものの,そこでは他の講師との兼ね合いもあり,
なかなか完全に自分のなかの指導方法というものを試せないままでした.
今回の家庭教師は完全に自分の力のみで指導を行うので改めて,
「分かる」ってなんだろう.
「理解する」ってなんだろう.
ということをまず考え,自分の中でぼんやりできかけていた指導方法を形にしようと日々考えをまとめています.
人に理解してもらうのは非常に難しいですが,人の言うことが分かるかどうか
という問題は個人的に教育の範囲に収まらない興味の対象です.
「分かる」は一体なんなのか.今現在の仮説をメモします.
「分かる」はわかってないかも
「分かる」は漢字の通りこのような印象です.
まさに分けるイメージで,その分け方は個性が出ると思います.
ここで僕自身が家庭教師の仕事をする上でポリシーとして,
親御さんに見てもらっている文章をご覧ください.
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物事の理解の方法は十人十色です.
「わかる」は「分かる」つまり分類することと言えます.
その分類の方法はこれまでのその人の人生観に依存するのです.
したがって,指導科目を私のわかりやすさで教えるだけでなく
生徒さん一個人に真剣に向き合い,個性を把握・分析して,
「自分のわかる」を発見するお手伝いがしたいと考えています.
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アンダーライン部分が学習における「分かる」です.
言い回し上は簡略していますが,受け取った情報を絵のように「分け」て
分類を考えるのでやはりイメージは同じです.
ここでの「分かる」を言い換えると,
「これまでの知識とのアナロジーを考える作業」
と言うことができるかと思います.
そしてこれまでの知識はひとりひとり異なっているので,分け方に個性が出ます.
もう一度同じことをまとめて言い直すと,
「分かる」は受け取った情報を個人の経験に依存して分け,自身の保有する知識との類似によって分類する作業
であり,個人によってとても意味の変わる言葉です.
これが「分かった」と人が言っていても,伝わっていないことがある原因です.
「理解する」はなにか
理解するは「理(ことわり)を解する」ということ.
ある意味,その情報を本質的に捉えたということです.
イメージとしてはこんな感じ.
個性を光らせて「分けた」ものの組み立て方を知る.
そんなところかなぁと思いました.
分け方はバラバラで不均等でも,ほぼしっかり元の情報に戻すことができる.
この作業をしていると思うと理解するのはそれなりに考えないと難しそうです.
「分かる」=「理解する」になるには過程が必要
さて,「分かった」ものを「理解する」ところまで見ました.
ここで考えたいことが一つあって,
理解した後に同じ情報が来たらどうするか?
ということ.
あなたならどうするでしょうか?
きっとよほどひねくれていない限りは,
さっきの理解した形にしたがって切り分けるでしょう.
そして,相手に対して返事が必要な場合「分かった」と答えるでしょう.
この時の「分かる」が「理解する」と同じ意味になります.
意思疎通の上で「分かった」が「理解した」とイコールなのか
できる限り確認しないといけないことがこのことからわかるでしょう.
また,学習指導の面ではこの「分かる」=「理解する」にならないと
時間内に解くテストに太刀打ちできなくなります.
まとめ
「分かる」は個人的なものから「理を解す」ことで
「理解する」と同値な「分かる」に変化することを見てきました.
学習指導ではこの「分かる」の段階を見極めないと
非常に的外れな指導を行ってしまう可能性があるなぁと自戒しておきます.
人に「わかった?」と尋ねて「わかった」と返された時,
それがどっちの分かったなのか判断するのが結局難しいですが…泣