まいこーmemog

生きづらいとき人の言葉で生き返るので,自分も言葉にしてみる.[memo+blog]

ひとの中に残るを方程式で表すと

夏目友人帳 伍 第10話『塔子と滋』をU-NEXTで見た.

この世界は,登場人物の誰も携帯を持っていない.

お話の世界は古い時代の話のようだが,今も続く人気作品である.

 

夏目友人帳は,愛や友情などの様々な感情が,

妖の見える少年-夏目貴志の人間と妖怪,2つの世界を知る視点で,

鮮やかに,時に儚く描かれている.と思う.

 

夏目貴志は幼い頃に両親を亡くし,親戚の家をたらい回しにされていた.

妖が見えるせいで,奇行に走る情緒不安定な子として,どの家でも煙たがられる.

そんな貴志を引き取り,温かく迎えたのが今回のお話のメイン,藤原夫婦だ.

 

第10話のあらすじを公式ページから引用する.

ある日の帰り道、夏目はカラスのひと鳴きで降り始めた雨に気づき、急いで家に帰って塔子と洗濯物を取り込む。カラスのことを話すと、塔子は、夏目を引き取る前、滋と二人仲良くこの広い家に住んでいた時代のことを思い出す。ある日、遠い親戚の葬式に出かけた滋は、そこで所在無げな男の子――夏目貴志を目にする。そして、塔子は戻ってきた滋が急に空き部屋を片付け始めたことが気にかかる。

引用:夏目友人帳 伍 第十話 塔子と滋 | アニメ 夏目友人帳 公式サイト

 

藤原夫妻は,葬儀場で見かけた少年,夏目貴志を引き取ることを決める.

夫の滋は貴志のために,使っていなかった部屋の掃除を始める.

妻の塔子は,現在の貴志の様子を見に,貴志の住む街へ連絡もなしに足を運んだ.

引き取りの際は親戚達と一悶着ありつつも,なんとか貴志を迎えることができた.

 

最初はぎこちなくどこか心を開かない貴志だが,

優しい夫婦のおかげで,だんだんと藤原家に馴染んでくる.

しかし,妖が見えることはまだ話せていない.

 

今後,貴志は藤原夫婦に話せるようになるのだろうか.

 

本当にいい話なのでぜひ映像で見て欲しい.

ひとの心に,残るもの

この夫婦は,遠縁でほぼ赤の他人である夏目貴志を非常に温かく迎えた.

迎えるにあたって,部屋の大掃除をしたり,携帯もないので会えるかわからずに

貴志を見に行ったり,親戚との一悶着があったり,そこそこ労力を使っている.

 

現代,人とのつながりを作る際はどうだろう.

人と繋がるためのコストは,急激に低下している.

会いたい人がいたら,LINEなりTwitterなりSNSを聞いてコンタクトを取る.

 

スケジュールを合わせて,指定の場所で指定の時間に待ち合わせる.

相手の特徴や顔も,すでにわかっていることも多い.

何かトラブルがあれば,リアルタイムで連絡もできる.

 

どう考えても,手軽に会いやすい人が増えている.

 

ひとの心への残りやすさは,

(その本人へのフィット感) × (達成までにかかったコスト) + (その他)

みたいに表すことができるんじゃないかと思う.

 

フィット感という曖昧なことばは,「価値」や「必要性」などのことばや,

「ないことが考えられない」や「なんか幸せ」という同じようだが,

ニュアンスの違うことばを含むために使っている.

 

つまり,会う人も情報も大量だが,それらを得るのが低コストとなった現代において,

ひとの心に残るものは,初見で相当フィットするものばかりとなる.

 

人間ひとりを完全に理解することは,自分自身を含めて誰にもできない.

AIを利用した分析がもっと本格化すれば,それらしいことはできるかもしれない.

でも,本当の意味で人を知るには長い時間とたくさんの知識が必要になる.

ささっとすぐに,できることではない.

 

ある人を知るために,長い時間をかけ,知識を持って,

しっかり自分と異なる存在と向き合うことができるこころは,

自分に残っているだろうか.

 

 

そんなこころがないのは,勿体無いような,悲しいような気がする.

初めは嫌だと思った相手が,付き合ううちに親友になったような話はよく聞く.

これからの時代でも,そんなことは起こるだろうか.

 

逆に,自分はひとの中に残る存在になれているだろうか.

自分らしさと心づかいを,しっかりと持てているだろうか.

そんなことを自問自答する.

 

ひとの中に残る方程式は,人だけじゃない

さっきの

(ひとの心への残りやすさ) =

(その本人へのフィット感) × (達成までにかかったコスト) + (その他)

 

という方程式は,人がひとの心に残る話だけではない.

学習に関しても,同様の視点を持つことが大切になる.

 

Google効果という言葉を知っているだろうか.

Googleで検索した内容はすぐに忘れてしまう.ということだ.

検索で得た知識は,(達成までにかかったコスト)がほぼゼロである.

 

ほぼゼロなので,よっぽどでかい数をかければ残ってくれる.

実際,かなりの興味があれば検索を利用した学習でも身につく.

 

しかし,大学までの,学習に悩む者にとって興味の値がそこまででかいことは,

そうそうないと思う.つまり,

Google効果は,大抵の本当に身につくことは相応の努力(コスト)があるものだけ.

という,上の方程式を教えてくれる.

 

まとめ

Twitterですぐ否定する人や,よくわからない怒り方をする人をたくさん見る.

日常でも,なんでそんな風にいうの?と思ったり,

他人の愚痴を聞いて,え?そうか?と思うこともたくさんある.

 

今の時代は,たくさん繋がって残っているようで,

実際はただ消費して消えていっているだけであることが少なくない.

 

本当に心に残るつながり,情報.

そういうものを大事にできる社会ってなんか気持ち良さそうだなと

なんかぼやっと考えてたことを,なんとか書き起こしてみました.